今だけが空を待たせている

結城永人


ふわふわの綿菓子は
砂糖が一杯で注意しないと
虫歯になり易いけれども
分かってくれるような

君だけを僕は守りたかった

いってはならないことがある
ために指図もしないで
クリームソーダを飲んだ

あの人はもう直ぐ死ぬだろう
年には勝てないとさえも
歌いながらみたいに
まだ笑ってもいないあの人を
八十歳とは呼び切れなくて

アイスクリームを食べた

いってはならないことはない
なのに指図をしたまま
フィレステーキも頼んだ
ゆえに要求はしないで

今だけが空を待たせている

君だけが僕を助けもせずに
僕だけの君を覚えたかった

空だけが今を焦りもせずに

今だけが空を待たせている

僕だけで君は包まれていて
君だけに僕も祈りはしない

僕だけが君を望むとしても

今だけが空を待たせている