琥珀色の空

結城永人


何を思う
夕暮れ間近の君
人生に一滴の涙を落として
生きることは虚しいみたいな顔を
向けられながら僕こそ
全てを受け入れて
いたのに

言葉が出て来ない
湧かない気持ちが恋しいようにまるで
言葉が出て来ない
浮かない気持ちが切ないようにまるで
言葉が出て来ない
行けない気持ちが危ないかぎりもはや

真実も出て来ない
導けない気持ちが苦しいくらいさては
言葉が出て来ない

真実も出て来ない

爆発は出て来ない

町を彷徨く心から
瞳に映り込んだ景色が吸いたいと
君の空気を湛えていた

和んだ腕のそばに立って
美しいばかりの椿の花の艶やかな
衣服を剥ぎ取ろうと
僕は消え去ってしまうよりも

指を掛けないで
背も丸めないで
舌は覗かさないで
胃も晒さないで
足は固めないで

肩を落とさないで
愛を捨てないで

願っていた宛の絆が
欲しいだけの心に懐かしくも
帰り着くまでは

信じていた奥の手が
著しいだけの胸に頼もしくも
跳ね返るまでは

言葉が出て来ない

真実も出て来ない

爆発は出て来ない