小楢の秋

結城永人


銃声は止んだ
卓球のラケットも
セロリも静まり返って

ミシンが発端となり
七つの海を突っ走る金塊だ
まるでヒドラのように
止んだ銃声だった

またしても
味わっている
舌で転がしながら
ただの団栗だったんだ
旨い気持ちがして
呑み込みたい
またしても

静寂を切り裂いて
団栗も止んだ
止んだ団栗なんだ
野山へ落ちる

幾多の轟音が生じたのか
まさか不可避らしく
妄想は大陸を飛び回り
どんな明かりも灯さないで
感じ返す頃合いに

殺伐を打ち破って
またしても
蟋蟀が尋ねている