寵愛論

結城永人


親交が欲しかった
ただ云うだけでも
胸を打たれながら
絶え得ない情けと

ポエジーだろうか
肝心なのは言辞で
たとえ芳しくとも
失態のようならば

求めていた気風を
もちろん示さない
述懐できるよりは
棄て去ってしまう

山桜へと立ち寄り
曇天にも拘わらず
煌めいてた人影が
現そのものだった

かくも死力を孕み
細やかな世渡りで
最善の策みたいだ
掌に憩いが兆され

著しく散る花弁の
オブセッションか
雨粒は降り出して
濡らされる素肌も

直ぐに晴れていた
極めて永くないと
悟らせる訳なので
分際も入れ替わる