恋文の詩

結城永人


分かち合わないか
苦楽を共に志した絆こそ
待ち受ける弱さも
半減すれば甲斐性だろう
分かち合えたんだ
単調な暮らしの折りや
過ごした孤身に
純然と赤裸々が吐き出して
さにも平常ではいられず
野良猫を好き好みがてらか
手に手を
重ねられる
貴方が欲しい
とした
願いも虚しく
破裂してしまった場面の
分かち合いが良い
ティファニーを
送らないまでも
暴くべきだから
貯金箱は一銭もないにしろ
いっそ信じさせられた
天下の沙汰
授かる悉くを言葉遣いへ
ややも
分かち合っていた
湿度も低い
疎らな往来で
枸橘の花が咲き初める時節
バスは停車し
襟を正した貴方は徒歩で
対峙した海と前進した
どうか飛び込まないように
祈らないではいられない
波が劇的に揺すり
西南で転覆した漁船も
忌まわしいまま
まるで鷲掴みの岩の先端に
張り付きながら
気がかり
救助できなかった
口実へ引き返して心底も
屈折させるよりか
しっかり
ちゃんと
きっちり
創造主を直観したと
否定されてはならない
砂浜を新たに
駆け付けようとして
浅蜊の片割れを
摘んだ
美貌の貴方が別嬪というか
だから後日は
ピロシキを持って
迎える交際簿ならば
少しも相克ではなくなる
懐を抱かれ得た開運なので
やはり
分かち合いたかった
忘れられない
昼夜があるとしても
僥倖でいられるかぎり
濁らせはしない