上弦の月

結城永人


山陵へ翔け出した時鳥は闇に紛れた
象牙を拾う子供たちも就寝を計り
繁華街の路地裏で陣取りながら念願する
頼もしさが末永くあり得るか
秋桜も萎れて心理性は硝酸を嗅いだ
空腹の溝鼠が走り回っている
絵にならなくて曲にならなくて
只者として記録板を成立させよう
不具合な夜が明けないかぎり
幾つかの水銀灯も不格好ならば
虻の屍に腰を屈めてはいられない
閉鎖された炭坑で化粧水が拡張しても
罠と捕らえられる大根は不味かった
緩やかな仕掛けも動作しないで
年季の城を渺茫に感じられる