ドーナツ

結城永人


過ぎ去った日々は還らない
心を洗い流した月夜の晩や
朝焼けが魂を繋ぎ留めても
先々へ動き出した鼓動こそ
某かの訪れを受け入れない

昔話は笑いの渦に包まれた
人差し指で紙相撲を行って
流石に分かり合えないまま
厭わしさと嫌らしさなので
穴があれば入りたいはずか

思い出は洗面台の鏡に写り
居間の扉付近で記憶された
還らない日々の思い出とは
記憶できた付き合いだった
匂わせる涙が止まらなくて

実情を見据えられないんだ
紙相撲を行った人差し指も
耳障りな顛末と変わり果て
独り占めしたくはならない
生得の穏やかさが良かった