イノセンス

結城永人


風が透き通ると
夢が詰まった楽音は止んだ
郷愁を誘われて
聞き耳を立てていた
渋みは
慌ただしい日頃の
休止符だろう交えならば
物象もない
名手の妙技こそ
如才もなく珠玉を
紡ぎ出し続けている
刹那よりも
心に迫り捲る
美しさそのものではないか
開陳される情感が
品性的な芸術も
飛躍しながら
本丸の魅力を打ち消された
家並みへ
見下ろす如く
恰も希薄な
想いがするまで
味わうこともできない
音色なのだから
宥らかに流れ込む内面性で
生まれ出した
絶品ではない趣きにしろ
泣き濡れざるを得ず
篤と惜陰だ