最愛物語

結城永人


君が思い起こさせる使者は
僕を優しくした基準だった

雨にも倒れず
森の中を彷徨っている
妖精は慕わしく
けども察してしまう
悲しい別れの足音が近い
だから心して
見守るべく泣かず
消え去った

高く掲げられた理想へ
ヒースも咲き並ぶ
大地は素晴らしかったが
なんて冴え様だろう
夜遅く満月が出て来たので
厚い雲に
覆われて湿った
気配がする
虚ろさかしら

使者に考えられる僕がいた
思い起こさない君ではない

新たな日毎も
何のその
こんなはずではなければと
忍ばない手前にああも
小さな光が溢れて行った
希みも薄い
まるで宛外れのような
滲んで暈ける
さもしさやかくて
求めなくてはならないまま
徘徊った町筋だ
雲雀が飛んで来るとは
奇異だった
いきなり
人生も分からないか

憑いていたんだ
基準ではないとしても
繰り返したかった
優しいみたく