結城永人


雨垂れを聞きながら
冬の暮れにしとしと鳴った
認めたくない事件もなく
すっかり穏やかな心で
打ち濡れ続ける
辺りは朝靄だった

静けさが広がり
頭を休ませるには
ピッタリの日にちか
辛気臭い批評家も大概は
生活を楽しんでいると
畏敬させられてしまう……

やおら煙立った
空気感を通じて遠くの
耳慣れない音が
響いて来るのだった

祭典を片付けるような
中止されたらしい
先延ばしにしてそうで
たぶん初めてだと
イメージが湧くかぎり

引きかけた雨垂れへ
心は平和そのものなんだ
春先の匂いがする
通りは濡れ放したまま
晴れ上がる様相ではないも
うっすら明るい