瓜坊

結城永人


山道に差しかかり
振り返った
背中を撫でた僕を
別れを惜しむような
円な瞳で
まるで不可思議だった
僕を視ている

さっき
突き進んで来て
気付かせられたのは
陳腐だった
急いでしまったが
いいそびれる
言葉へと

可愛い
涙が浮かぶ
解らせたかった
知るべきならば
腹に溜めないで
もしや考えようと
塞ぎ込むよりも
明るいだろう
訊いてなく
想う

心のリズム
情のテンポ
体のビート

嬉しさが気に入る
暫く送って行った
笑う僕へ向かい
歩みもしなくなる
崖の蔭は坂で
入らない僕だった