安全地帯

結城永人


風に揺れる菜の花に
紋白蝶が飛び交わす
連なる雲は山へかけ
心温まる瞬間だった
御託も出て来ないね
いっそ無重力で良い
君と僕との野遊びよ

菜の花にいる天道虫
油虫を食べようとし
忙しなく動き回った
魂痺れる瞬間という
恰も目的地の如くか
いっそ無媒介で良い
君と僕との野垂れな

天道虫は花弁へ登り
羽根を強か開きつつ
途端に舞ってしまう
情絆せる瞬間なんだ
明後日の方を向くわ
いっそ無軌道で良い
君と僕との野放しさ