純銀の首飾り

結城永人


極近く
深山を抜け切った貴方は
打ち広がる晴天に恵まれて
鳶が飛翔する自在性を
口篭りながらか
空想に耽った

問い詰めたユニコーンと
ゴブリンの怪訝な動き
派手に燥いだニンフたちも
絵本で馴染みがある
幼少期と等しい
古風な幻像だった

貴方が飲んだ
ダージリンを覚えていない
千切ったクロワッサンの
美味しさも滅多になく
テラスへ照らす
束の間の気持ちで

歩いて来た
海沿いの地が正夢ならば
小夜と死ねはせず

伝説の獏に食われるだろう
遺された一抹の不安を

 星降る

マーメイドは騒ぎ立てても
突き抜けたトリトンを
城内へ承服できないまま
鰯の滑らかな泳ぎと
弾かれた水に