とびっきり

結城永人


忘れたくない
幸せな一時を
夜空に咲いた薔薇の花びら
願う気持ちや
叶わない夢も
僕は打ち解けられずにいた
忘れたくない
一頃の痛みを
窓辺へ澪れる透明な日射し
望みながらの
結べない心で
僕が受け留めなかったんだ

どんな轍を践むならば
優しくなれるだろうか
当たり前の冗談よりも
まるで皮肉みたいでは
朗らかになってしまう
歯車が噛み合いながら

守られて
大事にしていなかった君を
待たせないまま
だから
忘れたくない
包まれて
大切にしようとしない君を
放させないまま
なので
忘れたくない

冷たく冷たく
冷たくなって
践んだ轍が乏しくなって
乏しく乏しく
乏しくなって
歯車は冷たくなって逸れ

忘れたくない
僕が打ち解けられずにいた
一頃の痛みも
夜空へ咲いた薔薇の花びら
想いの生活と
忘れたくない
僕は受け留めなかったんだ
幸せな一時の
窓辺に澪れる透明な日射し
共通な想いで

悲しく
悲しい悲しいという君こそ
恋しさだった
恋しさという空しさ

鎮座する門番よりか
良い夢を叶えよう
騎士や野獣も連れて来て
手を繋げると願うんだ
折れ曲がった堡塁ならば
心を正しく望んで
結べなくてはなるまい
招き寄せる明るみへ