主意考

結城永人


カフェオレを飲んで
ベーグルを食べた
琥珀の首飾りを眺め
椅子を座り傾ける

立方体が溶けたんだ
多角形が出来る
正六面体だったのが
潰れてしまった
平らではなくなると
球体へ膨らんだ

ポスターは北海道だった
店の壁へ貼られていて
四隅がピンで刺してあり

何がいいたいのか
何もいわされたくないんだ
誰にいうべきかは
誰もいわせたがってなくて

BGMが流れている
窓際で人通りを覗けば
本は読んでなかった
気持ちも悪くなかろう
冗慢に過ごしたまま

窪んだ球形がある
恰も勾玉の如く
穴が貫通するんだ
五円か五十円か
貨幣と類似しては
粉々になるので
消滅してしまった

ストローの口を丸めて
蝶が羽根を動かした
静かに飛び立ちながら
宙で猶予うも美しい