シェルター・ブロー

結城永人


人間は叫ばずに
口を閉じたまま
子猿を抱き抱え
満足そのものだ

僕の他には誰もいない
他の何かが僕ではない
何も僕には他ならない

子猿は殺さずに
腹を据えたまま
人間を覗き込み
快活そのものだ

他の誰かが君ではない
誰が君かは何でもない
君の何だと誰もいない

どんどん壁を叩くな
全く煩いではないか

引き返せない現実性がある

君の他には僕もいない
他の何かが君ではない
何も君には他ならない

ぼこぼこ間を壊すな
全く酷いではないか

詩歌は責めずに
罪を咎めたまま
生活を作り直し
充足そのものだ

引き返せない現実性がある

うかうか気を窶すな
全く汚いではないか

僕の何かが誰ではない
何が誰かは君でもない
誰の君だと何もいない