肩代わり

結城永人


かの死者は口にした
違うのに違うまま
受け入れた通念があると

最近では釣っている
ブラック・バスを
成仏できなくなりながら

なぜ取り込んだのか
常識でもあるまい
同じくなければ不条理だ

少しは悲しんだという
自分は聖者でなく
防衛する哲学がなかった

自分は賢者でなく
防御する宗教がなかった
少しは悲しんだという

防護する知恵がなかった
少しは悲しんだという
自分は曲者でなく

正しく生きるべきだった
なんて過去形だろうか
漫画も伏せられて

直角に囲われたダムの
一辺を過ぎ超えて行くや
水上へ揺らめいた

かの霊魂は竿も針もなく
餌も使用しないでいて
実際は享楽よりも

ペリカンの動きみたいだ
まるで押し込んだ嘴を
持ち上げると――