宵待草

結城永人


何を夢見るのか
別珍の季節を通じて
年柄と毛羽立った
心構えも他ではないと
始まりを告げる
待宵草へ日が沈む

皆は想うだろう
恋慕いながら
一寸でも惜しければ
離れ去りやしない
雨が降っても
かりに槍が刺さっても
死ぬほどに好きだと

シベリアで待宵草は
線路の脇に揺れていた
夢見る何かを
どんな列車が走ろうと
錆び付かせないで

風が強くなり
邪念を運んで来れど
試金石のようだ
引き渡されやしないで
互いに確め合う
存在感の重たさが
抱擁を迫らずにいない
麗しい君たちならば

待宵草は夢見る
宇宙船の窓越しで
餞別とも付かないまま
何か楽しげな