黄金海岸

結城永人


僕たちは歩いて行った
宵越しの星明かりのまま
愛しさに包まれて
または波打ち際の音を聞き
与える言葉もなく
遥かな社会を考えながら

向こう側に海豹がいる
傷んだ脇腹は血を流して
瀕死そのものとは
なんて可哀想なのだろうか
一生が全うされる
寸前の動き方なのだった

天国に召される生命を
さて想像してみてごらん
羽根が生えた心だ
身を粉にして働いたにしろ
本質へ逆らい得ず
決定されている僕たちは

夜中の浜辺で正しくも
足跡を刻み残すのだった
潮先が訪れるまで
凪いだ大西洋に沿って進む
由々しい出会いと
もちろん感じ入るほどに