ハンター

結城永人


猟師は銃を担いで獲物を捜す。山という山を越え、野という野を、否、見付けたぞ。猟師は静かに俯せになると銃を前方へ構え、引き金に指をかける。失敗だ。兎は二匹とも岩の陰に身を潜めてしまった……。「偶然」と小さく呟くと猟師は立ち直ったが、気持ちは沈んでる。今日は何も獲れないと思った矢先に一匹の兎が遠くに確認できると──射程距離だ──弾丸を放って目的を果たした、しかし普段とは違う。嬉しいのは嬉しい。血塗れの屍体を抱き上げながら自分が食べるために殺さなくてはならなかった獲物への感謝を、この大自然の中心で、愛を叫ぶように天を仰がずにはいられなかった。神は知れば知るほど罪深い人々を許さず、本当に生かされてるという世界観、慈しみを誠心誠意で実行しなくてはならない。猟師は変わらずに習慣を続けた。魂へ祈りを捧げ、霊には願いを懸ける。幸せな過去、& 現在、さらに未来へと命が絶えないように……。

   ※

夜毎、猟師は星が銀色に輝き出すと永劫に回帰する夢想を愉しんだ。無数の兎たちが輪のように連なって踊り出すらしい。