森林絵巻

結城永人


鳥が鳴くのが心持ちよい
心持ちよいのは好きなのさ
好きなのは飛べる気がする
気がするのは森の鳥だよ

 ほーほー、梟が鳴く。

飛べるのは夢だから
夢だから願うしかない
願うしかないのが楽しい
楽しいのは森の鳥だよ

 梟が飛ぶ、ばたばた。

木が戦ぐのが心持ちよい
心持ちよいのは好きなのさ
好きなのは揺れる気がする
気がするのは森の木だよ

 ぴくぴく、松が戦ぐ。

揺れるのは夢だから
夢だから願うしかない
願うしかないのが楽しい
楽しいのは森の木だよ

 松が揺れる、すっすっ。

水が凪ぐのが気持ちよい
気持ちよいのは好きなのさ
好きなのは潤える魂がする
魂がするのは森の水だよ

 さらさら、湖が凪ぐ。

潤えるのは幻だから
幻だから望むしかない
望むしかないのが楽しい
楽しいのは森の水だよ

 湖が潤う、るんるん。

花が薫るのが気持ちよい
気持ちよいのは好きなのさ
好きなのは咲ける魂がする
魂がするのは森の花だよ

 ふわふわ、蓮が薫る。

咲けるのは幻だから
幻だから望むしかない
望むしかないのが楽しい
楽しいのは森の花だよ

 蓮が咲ける、ひらひら。

虫が営むのが魂持ちよい
魂持ちよいのは好きなのさ
好きなのは躍れる身がする
身がするのは森の虫だよ

 ぞろぞろ、蟻が営む。

躍れるのは霊だから
霊だから祈るしかない
祈るしかないのが面白い
面白いのは森の虫だよ

 蟻が躍る、わいわい。

実が生るのが魂持ちよい
魂持ちよいのは好きなのさ
好きなのは熟れる身がする
身がするのは森の実だよ

 あらあら、苺が生る。

熟れるのは霊だから
霊だから祈るしかない
祈るしかないのが面白い
面白いのは森の実だよ

 苺が熟れる、ぴちぴち。

人が歌うのが身持ちよい
身持ちよいのは好きなのさ
好きなのは笑える心がする
心がするのは森の人だよ

 すくすく、僕が歌う。

笑えるのは命だから
命だから救うしかない
救うしかないのが面白い
面白いのは森の人だよ

 僕が笑う、はははは。

石が澄むのが身持ちよい
身持ちよいのは好きなのさ
好きなのは研ける心がする
心がするのは森の石だよ

 とぅとぅ、珠が澄む。

研けるのは命だから
命だから救うしかない
救うしかないのが面白い
面白いのは森の石だよ

 珠が研ける、きらきら。