風任せ

結城永人


やがて
朝日は昇り
山裾へ潜めるのさ
憐れみを

黄玉は滑って
小池に嵌まる

ゆるやかな
下降線を辿りつつ
乞われた

音符が浮いて
藻屑と消える

取り留めない
愁いを抱き

水面は呻吟する……

さらに
朝日は昇り
裾野へ充てるのさ
憐れみを

緑玉は転んで
岸壁に斯かる

ゆるやかな
平行線を辿りつつ
乞われた

楽譜が滞って
鉄屑と過ぎる

取り次がない
愁いを具え

岩肌は呻吟する……

ついに
朝日は昇り
野分へ到らすのさ
憐れみを

紅玉は震えて
窪地に籠もる

ゆるやかな
境界線を辿りつつ
乞われた

譜面が張って
木屑と崩れる

取り付かない
愁いを寄せ

空気は呻吟する……