Picnic

結城永人


空気が美味しい
胸に入り込んだ
恵みって感じる

樫の木の梢には
鶫が小首を傾げ
甲高く囀ってた

風は薫れる五月
晴れ間に萌える
芍薬は華やかで

満喫したくなり
気分を落ち着け
手足を伸ばした

 やっと
  来たぞ
   高原へ

野苺は美味しい
頬に入り込んだ
恵みって思える

河の岸の岩には
蛙が丸腰を帯び
床低く構えてた

靄が繁れる初夏
浮き雲に被れる
山脈は艶やかで

謳歌したくなり
気分を開け広げ
背腹を伸ばした

   ついに
  来たぞ
 高原へ

天然は可笑しい
頭に組み付いた
賜りって表せる

店の柵の縁には
蜆が羽根を打ち
寡細く漂ってた

城は照れる午後
垂れ幕に仄めく
洋灯は穏やかで

鑑賞したくなり
心魂を据え置き
咽喉を収ませた

 ついに
  来たぞ
   平野へ

意識が可笑しい
尻に組み付いた
賜りって考える

谷の崖の側には
鹿が斑点を乗せ
図太く馴れてた

虹が綴れる金曜
掠む隙に発せる
噴水は緩やかで

享受したくなり
心魂を取り剥ぎ
毛髪を収ませた

   やっと
  来たぞ
 平野へ