生気的な宇宙

結城永人


寛ぎを味わいつつも
手術台は引き浚われて
金木犀の香が広がった
辻馬車が坂を駆け上がると
静けさを増した巷で
小料理屋の暖簾が揺れている
額に撫で付ける風を受けた
希望が地へ落ちたまま
転がって行く石は崖に消えた
海は荒々しく波立ち
土砂降りの雨が夜を覆った
巣穴で千鳥の雛は震えるも
轟く雷鳴に血の気を引いて
灯台へ漁船も向かって来た
林檎が立っていた
天狗猿は樹上を降りる
驚きで包まれた精神に
意識は飛んだ
口当たりは大根の葉だった
可愛さが胸を抉った
机に蜂蜜を溢されるや
月輪熊も冬眠から覚めて
森ならば微笑ましく迎えた
八ヶ月後に歴史が動いた
永遠と運命の入れ替わりか
明らかな芸術性がある
沈んだ牡蠣は仰向けの格好だ
心魂が突っ切って行った