板を割るそばにしかし

結城永人


見かけたんだ
通り過ぎて行く君を
又戻って来るかどうかも
俄かには示せないまま
少しだけ咽ぶような心地で
食い留めもせず

追い払ったりもしない
はぐらかすばかりだった
日々の切なさへと

回した腕が
廃れないまで
益しな方だろう
情緒を持ち上げるために
風も立ちつつ

互いに暮らす
身を寄せ合って
睦まじい仲ならば
板を割るそばにしかし

僕も消えてしまい
知られながら芳しいほどの
夢物語だったにせよ

尚ではないのかしら
微かとも探るように緑色だ
放り出せやしないで
遠ざかるとしても
背けられない