世界の片隅で男と女が耳新しく

結城永人


貴方は困ったのやも
私という人がいながらいなくなられてしまった
相応しい相手は僕だった
瞬く間に感じたつもりの
貴方だけで人生は結構だ
ただ互いの間にはかねて等閑にできない《性格の闇》が潜んでいたかぎり
すんなり受け入れてはならなかったに過ぎない
硝子の遮蔽板のような挿入句を咄嗟に置いたり
境界線を曖昧に引いたりするためならば
前以て要するに結び付きも得られない二人でしかなかったと
私の巡り合わせは
必ずや手を差し伸べる場面まで
出て来る化粧水よりも
手に手を携えた度重なる空の下で受け入れられる
謂れのない現実こそ心から
突き詰めてみたくて
一時的に身を隠さざるを得なくなるにしては僕も苦しかった
息が上がってしまったし
恋い焦がれつつは
錐揉みの倒れ伏しを適切に思い遣られるとも指図されず
貴方の元へ
力が加わった衝撃は“まさか”にせよ
顔見せさせられないくらい
やはり私の柄にもない
道を誤らなくて済んだ方向で
惜しむべきは懲り懲りだったが
解けた荒立ちなんだ