救護

結城永人


僕が貴方を認めない
貴方の僕を認めるようにも捉えていない
偽りかどうかよりも
どんな面でかが重要なんだ
偽りかどうかならば
カツ丼を食べているに過ぎまい
貴方にとって僕というものは
地下水がたとえ隔たりの窪みを潤したにせよ
認めるには幾らか足りなかった
むしろ水位の高まりが却って事態をはぐらかしてしまうので
確かかどうかならば
至って簡素な対象が魂を魅了している
謎めきによって考えたくなるためだった

大胡麻斑の一生が
餌から取り込んだ毒を貯めて
外敵を退けるように

卵こそ日陰の身ながら
歩き出した幼虫は
黒地に薄い黄色の縞模様に
赤いポチポチが付いた
どぎつさで辺りを厳しく
警戒させるのだった
黄金色に輝く蛹も
凄まじいばかりではないか――
たっぷり含まれた餌の
葉っぱの恐ろしさを
死に至る成分を
毒々しいまでに発散している
羽化しても同じで
体内には保たれるのだった
かくも蝶となり
大きな羽根でゆったり飛んでも
只美しく感じられても
花の蜜しか吸わないにせよ
隠し持つ定めか
鳥なども寄せ付けないらしい
危険信号を発している
食べてはならない
胃袋に収めたりしては
眠り込んでも
非常事態宣言なんだ
戯れても休んでも
認められない貴方へとするや
相手が昆虫ではなく
人間だとしても
そうではないかしら

一体全体
僕はいなくても変わらないと
考え兼ねないまま
水路を逸れて行った筏の方の岸辺に森を探し出して
つまり大胡麻斑を新しく
胸に重ねていた

確かかどうかならば
そばに来て欲しい……
そうではないかしら
伝わると有り難い
くたくたになって
生きるかぎりの夢を
投げかけるほどに……

お願いだ
認めさせてくれ
僕に貴方を
捉えずにもいなかったと
引き戻らせるよりか
現実に