柔らかな土を踏みながら

結城永人


想われるのは何か
とても素敵なことばかり
随一かも知れない
振り返ると比べようもなく
他には代え難い
印象としか表せない

初めてではないのに
脚が疲れ捲っていたから
舗装路を逸れるや否や
感触の違いに気付かされて
尊んでしまうんだ

柔らかな土を踏みながら

羽毛が巻き上がる
鵞の雛の胸辺りで
すなわち天空へと

木々の間を抜けた
愛しい物珍しさも
記憶に失せるとき
学んでおくべきだ

当たり前に味わえば
掴み損ねてしまいそうだった
生活を送るかぎり