共鳴伝説

結城永人


檸檬の酸っぱさよ
胸透いた拘泥りの末に
極め付きの実在感が
捻出されてしまうなんて
とても有り難いことだ

命あるかぎりならば
誰も羨んではならない
縦しんば身ぐるみの須くは
取り替えられ得ど

人それぞれの趣意だ
僕にも利害が欠かせない
ついぞ丸齧りな檸檬よ
狂態にも況して
角立つ前の空悲しさを

送り返すときが来た
器とも呼べないままにか
流れ流された魂の
成れの果てだろうとも