円やかな向き

結城永人


霧雨の朝だ
紋白蝶が舞っていた
民家のそばの水溜まりに
ひらひらひらひら
留まりかけては飛んでいた

水を飲むためか
少しだけ留まるんだ
時間をかけて
休みない羽搏きを行うも
直に又飛ぶ
ひらひらひらひら

歩き慣れども
湿り気を帯びた舗装路で
辺りにはちらほら見かけられる
畑から来たようだった
ひらひらひらひら
紋白蝶は踊っている
空鈍い午前八時の
民家のそばの水溜まりへ

紋白蝶も生きていて
渇いた喉を潤し
繰り広げるのだろう

日常的な術を
ひらひらひらひら
飛びつつや留まりがちに
紋白蝶は舞っている