辛子色の服を着た町巡り

結城永人


似合わないと考えながら
選ぶなんて可笑しいにしろ
気分的には避けられなかった

行くところ
嫌われたと案じて
行くところ
情けないと省みる

暫くして精神的に参った頃には
何でもかんでも外見のせいにし

辛子色の服を着た町巡り
止めた方が良いかどうかで
行ってしまうのだった

自分を出してみたら
まさか苛まれ放しとは
好きも嫌いもありはしない
願い下げるくらい
辛子色の服を着た町巡り

迂闊なのかも知れない
七日もやらなくても
手を引きたくなる
来たくてしたとすれば
舌を覗かせる自分がいた
競り合うべき値打ちか

辛子色の服を着た町巡り
人気を保たれ得るようにも
行ってしまうのだった

欲するや概ね運ばない物事が
内面性を蝕むわけだから
殆ども感じ過ぎな頭を緩ますと
苦痛は癒されるに違いない

鈴蘭水仙が咲いていたんだ
水仙よりも可愛いげな
麗しさは鈴蘭ではない
可愛いげな麗しさで

神経を尖らせるほどに
途轍もなく呼び覚まされて
感動そのものかしら

夜中に生じた嵐で
落雷の衝撃が走った
裂け目は椎の木の幹を穿ち
傷も大雨で流れ去られた

捉えなくては
認めなくてはならない