幻惑的な奉仕

結城永人


僕のために
死んでしまった心を
返して貰おう

白目を剥いて定めておく
失念したかぎりだ

憐れむべき世の中は
繋がりが只薄くて
相手の気持ちを考えられなかった
思い遣りも優しさも情けも
通じなかったくらい
食い違っているものなので

君がいればおよそ
光は燃えるはずだったんだ
受け取らされるだろうか
絆も弾けるはずだったんだ
取り入れられるだろうか
入れ込まされるだろうか

失念したかぎりだ

拳骨を解いて定めておく
失念したかぎりだ
猫背を招いて定めておく

人のせいで
枯れてしまった花も
戻して貰おう

善のわけで
絶えてしまった蜜を
与えて貰おう

容認したばかりに
失念したかぎりだ

自覚しなくてはと

留めて貰おう