安らぎを求めて

結城永人


靴下が流れていた
黒くて小さい
想いの生活の川に
強くて優しい
愛が生まれたので

僕は嗅いだ
地下道の冷えたコンクリートを
僕は歩いた
絶え間ない疲れに襲われながら
僕は達した
アネモネへ心を掴まれたように

夕方頃
レーズンとアーモンドで
腹拵えをすると
ピアノで幾つかの和音を奏でたくなり
部屋の扉を締めて
三十分くらい経ってから
眠りに就いた

堪えたい
可笑しさを
感じる

感じる
堪えたい
可笑しさを

可笑しさを
感じる
堪えたい

善意が働かず
伝わらなかった全てを
止めてみると
歴史的な輝きが却って
広まって行く

熊鼠に察した
鳴き声か硝子瓶は
擦り胡麻のように弾けて消えるも
陽射しを啜るには到らず
高くて手が届かない
理解力を残すのみだろうか

速やかに
滑り込んだ
存在が親しみを
胸に訴えるのだった
時間や場所も選ばないまま

風が揺らす
栗の葉を美しいと
覚え出すほどに

夢も燃えた