Section 11

結城永人


天国か地獄か
矢印は薬へ向いていた
幾つもの風車が回り
釣り師は毛鉤を川と投げ放つ
蚕の幼虫は自前の繭で蛹に変わった
暗室で現像された写真を挟んだピンセットが冷たい
日本猿も温泉に浸かっているのか
頭に花冠を載せた人形が瞬きを行う
ゴミ箱で政治が啜るのは殆ども欲望ではない
屋台のラーメン店もメディアへの公開を減らした
控えの背番号41が球場のベンチ横で緊張感を解す
人工衛星は予期しない傷跡を修理中だ
雀蜂の巣が日を重ねる毎に膨らんで行く
キャラクターに当惑する
黒板消しで粉落とすのは鎌倉幕府だった
鴬を念じさせて貰いたい
極点の氷が北と南で違い過ぎてなかった
直ぐに発見をいいたがる
若布は干した方が旨いようだ
洗濯板しかピン留めにできない
団子虫が以前よりも丸まる
僻地のサボテンは不思議な踊りを思わせる
卵の殻で両親を表現してみた
喜びが降って湧かない
代わりに水底で鰌が泥に紛れ込んだ
死ぬときも一緒ではなかったか
積乱雲が伸びる
コッペパンは千切られた
金のロケットも揺れている
歩み重く横切る丸耳象だった
羽根を認めざるを得ず