Section 16

結城永人


今はもう記憶に及ばないが
絶妙な距離感というのがある
詰まるところが面白かったんだ
埋められずで疎かな間柄も
不思議と慰安を示していたし
カサブランカは旗めいたか
練り上げては頷く性質と掴まれ
境目の壁こそ越えて行くこと
まるでバナナを食べながら
素っ気ないくらい通り過ぎるや
息添えられたはずもなければ
どんな世界も望まれるまま
充分過ぎるばかりの縁だった
差し出すと勿体ないだけの