Section 2

結城永人


柔らかな光が照らす思いは羊飼いが放牧で掲げる笛だ
小指を立てた呼び慣わしに一頭の牛も混ざって来た
子供ながら突進する様子は迫力も満点だった
囲いの扉を開いて逃がすと太陽が笑う
覆い隠したのは雲の役目だったのかも知れない
山麓の大地は著しく翳りながら草花を包み込んだ
踏み付けられて固まった道のところで
水溜まりができているのは涙のせいではない
生物という生物の全ては本能に従わざるを得ないのだから
数週間前に山里を襲った豪雨によって
残り香として風も涼やかに感じさせるのだった