ミラージュ

結城永人


笑い合う僕たちは
晩春の野原で縮んだ距離を
引き延べてみたんだ

二季目の夏の日が
必ずや巡られて来るだろう
向かい合っていれば

僕たちは語り合う
初めての秋の夜長に憂鬱な
行き違いもあったか

恋模様に包まれて
取り返しが付かなかったと
深い冬の仲違いこそ

知り合う僕たちは
尤もならば収めたいはずの
良縁で結ばれながら

広がった恋模様へ
感じ入らずにはいなかった
隅から隅まで麗しい

六月の青空の元で
久遠に信望するべき神明も
顕現されるのだった

祝着できた契りに
生涯と思い遣りを共有する
僕たちは抱き合って

緩やかな恋模様も
地上の息吹きへ揺れたまま
響き合う時を刻んだ

僕たちは呼び合い
高まる気運を流せ去らせず
堅持していたわけで