梅が芽吹く合間

結城永人


雨の匂いに誘われて
思い立つ心も溶けている
薄暗く
押し止められた
帰らない人を
誘い出した雨の匂いは
溶かす心で思い立たせた
帰らない人が
押し止められる
縁遠い
心へ振りかかる匂いだった
流れる雨も粒と砕かれる
押し止められて
帰らない人を
幸多く
雨が匂わせて流れて行く
砕けた心こそ降られたまま
影薄い
押し止められた
帰らない人が
思い立つ雨で溶けていて
心には匂わせられる
帰らない人を
興寒く
押し止められて
心も流されるのかしら
振りかかった雨は渋った