残照

結城永人


歌っていた
至福の一時を
新たな心意気がする
大地へと
現れた光粒の中で

受けている
瞬間の恵沢は
物思いに耽りながら
懐かしく
訪れる仮想の中だ

もはや
恋仲が抱き寄せる口付けか
達成されなかった
涙で曇らなくてはならない
自我の迂回かしら
やはり
成し遂げられやしなかった
仇そのものなのか

念じていら
存命の精神で
恰も季節が巡る如く
発見した
容易い信仰の中と

つとに
苦節せざるを得ない実益も
得策は安泰だった