さかしま

結城永人


昨夜を思い出せない
肝冷やす枕元を離れ
トーストへ舌巻いた
目玉焼きとサラダも
牛乳のコップは空け
マホガニーの食卓で
思い出している太鼓
抽象的な夢だったな
エジプトの三角形の
ピラミッドを進んだ
太鼓を叩く細長い線
付き添われるままに
足が震えてる頂上で
もう向きそうな時を
起床した今朝という

真昼を感じ入れない
腰砕ける市街を行き
チケットへ気休めた
千里眼とリュックも
折り畳みの傘は持ち
ニッケル製の椅子で
感じ入っている氷塊
空無的な現だったぞ
アフリカの中心部の
ナツメヤシを取った
氷塊を運ぶ底低い船
置き去られるままに
髪が靡いてる快晴で
ただ離れそうな場を
意識した当日という

明晩を考え付かない
首竦める樹海を向き
ポケットへ爪繰った
布切れとハンカチも
箱のオパールは放ち
プラスチックの刺で
考え付いている写真
本格的な幻だったよ
カシオペアの天体の
ポラリスを掴まえた
写真を流す生温い花
連なり合えるままに
身が超えてる浮遊で
まだ行きそうな世を
就寝した暗雲という