追悼~生涯という旅路~

結城永人


フランスはパリの
セーヌ川へと身投げした
冷たく流れる水の中で
窒息しながら貴方は
無数の泡に絡まりもせず
停止する意識を
死んでしまって悲痛に想え

なぜ詩人が命を断つのか

生きることを考えて
差し置かずに過酷な歴史と
出会さなくてはならず
エッフェル塔も
ノートルダム寺院も
まるで神秘であるように
静寂を窮めた

どんな刑が下されるものか

僕に予測できない
坤儀を堅持しようとする
やはり快くはなく
萎縮しながら共振が
モンマルトル広場よりも
輪転した知覚を
受け入れて宿望なのだ

パウル・ツェラン
貴方は死んでしまった
天使風の名前か
堅持しようと宿望なので

パウル・ツェラン
生きることに静寂を窮め
天使風の名前か
予測できないセーヌ川へと

悲痛に想え
受け入れて
身投げした
快くはなく
神秘である
詩人が命を
下される

舞い上がるなら
すばらしいだろう
駆け上がるなら
すばらしいだろう

天賦の素性としても

貴方は

セーヌ川へと

死んでしまった

予測できない

いかにも無邪気なのか

彩りを添える
チュイルリー宮殿の
光景を目に

はなやかな首都だとはいえ

響きを交わす
シャンゼリゼ舗道の
楽音を耳に

もしかすると
自重しなくてはならない
僕にとって立ち向かう
善良そのものや
空虚である

蝶が来て
カルーセル橋の取り成した
命日を告げるか
天使と詩と
穏やかな
実勢
去り行くも柔らかい