無防備

結城永人


山彦も君だった

カフカは主要な作品を
ショパンは或傑作を
焼却させようと
友人へ遺言したのだが

僕は哀愁を受け取る
死んだ世間よりは
素敵な気持ちなのやも

ブロートが承認したら
フォンタナが許諾したら
不穏であって
友情も形無しとは

冷ややかな作家たち
まるで天才のように
僕を放逐させながら
感付いてしまう某か

カフカの肖像を
ショパンの肖像を
観ていると
思いも寄らない魂持ちへ
連れ込まれる

夢か現か幻か

僕は真実に生きたい
どんな仕方で粉飾されても
鍾愛が追い込む
さもないと君は意地悪だ

花束を渡せ