西日が当たる心遣い

結城永人


取って置きの手間は要らず
カステラを口に入れながら
思案に耽る色彩もシアンで
するりと忽ちに翻したのは
身上を話すよりも美味しい
ギリシアへ涙を零していた

なんて感動する写真だろう
当地名はエーゲ海かどうか
良いというのは震えてこそ
出て来る出て来る出て来る
高校の文化祭は恒例行事だ

参加するも仕様がなくては
乾電池が切れたロボットだ
なんで膨張してしまうのか
水風船へ流れて行く意識を
まるで幻術師が扱うように
12345678910と
上手い空間の埋め方だった

ヒントは平日にも拘わらず
ちっとも成し遂げるならば
どんだけ荷物を下ろすまい
可笑しがらずにやいなくて

花水木とソックリな意匠の
紙撚りも切り抜けるらしい
ハンカチが胸へ響きながら
ぐっすりな眠気を誘われて
表情も詳らかになるにせよ
まさか黄金虫を驚き倦ねた

地図帳に遮られた真澄鏡で
現れるならば妖精だろうか
森の樹木の香が漂い溢れる

見えない聞けない触れない
斜め向きに部屋中を差して
ただ包み込まれるばかりだ
稍暗く醸され得る物憂さも
知ってか知らずかあるまま