スパイスリー

結城永人


夕べは吐く息が白かった
暖かくなって来たと思ったのに振り返した寒さか
だから悲しい
とするとロール・キャベツが食べたい気分だ
十年以上は覚えもない
味わいが蘇るのは素材を通じて考えたともいえる
キャベツならば千切りに馴染みを得よう
作り方で認識する
ただし心に残った場面は言葉にできない
アテズッポウだとホテルのロール・キャベツが最終的だった
好物ではないので
中々
口に入れる機会も少ないんだ
そして記憶へも留まらなかったというか
春先こそ過ぎ越されど
まるで凍えるような身持ちがする
冷え出した