かの雨曇りで

結城永人


小路の沈丁花も煤けている
燃える想念は落ち窪んだ
蜜蜂の巣を遠巻きにし
転がり続けて脈々と
受け継がれる
恋着が面映ゆい

貴方は忘れなければ
喜んでいるはずだった
幸せではない楽しさはなく
慈しみを兼ね備えていた
思い遣りもあれど

かの雨曇りで
霊感が反転するや
都市は憮然と威圧していた
身勝手な僕をか

かの雨曇りで
捻ね曲がる情調は
根気も萎えて戦慄いていた
不恰好な僕のか

かの雨曇りで
辛酸を舐めながら
病んだほどに悲惨だったと
一生涯の僕かだ

禿鷹が飛んで来るかどうか
地球外の人工衛星よりは
下がって低かった
仲立ちぞ只漸く
編み出されずにいない
魂の嗚咽だったので
没頭している蛤の流線型も
後難を辞さないんだと