巷もがも

結城永人


花は咲いたか
紅花の種を蒔いた
庭には二羽の鶏もいて
雛ではなくなってしまった
淋しさへ換えながら

最近とすれば
驚いても恐がりはしない
蛇の目が飛び回り
玄関先を一息で
突っ切ったわけだった
紋黄蝶でも相違わず
ヒラヒラと
飛び回り

好きなので
優しくした恋物語を
講じずにいないとまで
鰻も手に付かなかったんだ

気が済んでや
飼育する甲虫の
卵が孵らないくらい
夏の暮れは虚しいにせよ

今頃といって
嘆いている場合ではなくて
確定するべきなんだ
悔やまれていても
途方に暮れることだろう
裏切らすな