切ない望み

結城永人


今は待つしかない
待つしかない今は

葬り去られて再出発したかどうかの通念も掠れる薄闇だった

捲るな
捲るな
物象を――
嗚呼

飛んで行く鰹鳥を双眼鏡で凝視した
観光客が飛行機の座席で小窓へ
身を寄せるや雲霧に紛れた
大陸棚が明け透けと記憶を探り出して
涙を誘われずにはいられなくなりながら
考え得る傾向の全てを打ち刻んだ

入口があれば
喜びは来るだろう
たとえおよそ
刹那の風に
行き遅れたとしても
濃厚みたく

匂うな
匂うな
体質を――
嗚呼

誤るな
誤るな
根拠を――
嗚呼