慚愧

結城永人


駆られて
手負いの妖魔に駆られて
念じれば恐らく
済まなかろう
悪罵へと堕ちるばかり……

古傷め
誑かすつもりと
伝記物に摩り替えてしまう
膿んでいるにも拘わらず
今以てだ
畜生ぜ
腐肉の臭いも
口任せとしておくか

何にせよ
耐えるだけだ
ただ強いられた事欠きへ
化け物がうようよ
巣食う屋敷の天蓋で
世を憂う身に
成り果てる
演劇そのものだった
至って作為なく
嘘八百を並べ
肝玉も抜かされた結末――
気は確かだ
掻い摘まんでみせる
陸橋があるので
尺度こそ合い兼ねど
不満はない!
不平も!

癇癪を興すな
余りに早過ぎる
爆竹へ点火するには
頭の中で

生まれ付きの
遣り方を推重しなかった
罰へ購っているんだ

脱兎のようだ
蜘蛛の子と退いて行く
散り散りになり
しかも巻き貝たちは
砂へ埋もれながら
顔を出してやしなかった