定義の朝

結城永人


田圃の隣接地に飛べない鳥が歩いていた
烏で跳ねているのは片脚を怪我したためか
蝶結びで留めた包帯を巻いている脚がはっきり見える
目を閉じてみても頭に浮かんで来る蝶結びだった
開けた目には烏の飛べない姿しかない

神秘的な見解なので
不用意に受け取らないで欲しい
生き延びるかどうかによって
確認され得る事柄について
予め保証しておくには
難がある場合だが
気休めとして
取り入れて貰いたいんだ

すなわち
愛が肝心という
運命を引き寄せるために
人が寄って来易くなり
己も取り逃がさなくならないか

推してみれば注文した品目を配達する過程が時計を動かしてしまうような

閻魔は否定する
地獄の親玉は手先の
死神や悪魔を嗾けるのだった
僕だけでも身を以て存命を
誇示するにも拘わらず
只単に偶発的な所産だと
尤も思考しなければ
現在もなかったはずなので
論拠の可能性は物の見事に持つ
駁するや連中は世界の涙で
消し去られて行った

自転車に乗って近所を徐ろに走っていた
咲き並んだ喇叭水仙には恰も懐かれる如く
心臓は今までよりも鼓動を強めていた
滑って転んだりもしないで気分も実に優れた