実在でさえも最早

結城永人


血が黒ずんで行く
繋ぎ留める副え木も朽ちた
屍と化した社会の謂いだ
部品の老いさらばえた
計測装置も剥落し
羽搏いている時間帯と共に
見るだにぞっと
意識は深い眠りへ入ったまま
揺り動かされども
声を上げない

風に守られる
苔蒸した秘密裡の手紙は
封筒ごと破り捨てられたか
海外産の置物は
鋼鉄の卵形で自ずから
立つべき土台を掠め取られたか
開かないでいる
抱きもしてやしない
心情で刻まれた
祈りを考えるのみか

連れ去った雅の元で
地響きを貯蔵する闇の側だ
華は夢の繰り返す中を
気も漫ろな緩い柵の方へ
学び取った神の間で
厄払いを分泌する国の横だ
詩は幻の突き出す奥を
善も虚ろな鈍い理の頃へ

氷は熟し捲り
仄かな知覚も指折りだったと
皆に訴えるのか